〈木下 健〉
20年近く、写真家として撮影してきた世界の子どもたちの写真をポストカードにして販売、その収益などで、フィリピンやタイの子どもたちに、識字教育と栄養補給を行うNGO活動を続けています。アフガニスタンの子どもたちに比べれば、フィリピンやタイの子どもたちはまだ幸せと言う声も多く、支援のお金はアフガニスタンに集まり、それ故に、地域に根ざし長期にわたって支援を続けてきたNGOに流動的な募金が回ってこなくなり、資金難に喘いでいるのも現実です。
国際会議出席拒否問題で「NGO」の呼称が日本でも認識されるようになりました。しかし、NGOと言えば「大西さんですね」と短絡的、支援金も一時的なブーム。カンボジアの時もそうでした。カンボジア(英語読み)をカンプチアと呼べと言い、カンプチアに援助しないNGOを非難する著名なジャーナリストもいました。新規NGOの援助で現地に作られた学校は今も運営されているのでしょうか?
民間の善意に頼るNGOと対比にある、国税を使うODA(政府間援助)は、日本の場合、日本の企業で、ダムや道路、鉄道などを作る、ゼネコン的事業が多く、権利の構造が生じやすいのです。また無償援助より、円借款、つまり、お金を貸して事業を行う比率が高く、不良債権化の問題も抱えています。ここ数年は、世界の趨勢から、ODAの事業をNGO拠出金として、細かいところに手の届くNGOに任せることも増えてきましたが、NGO拠出金の額が増えて困るのは、機密費が捻出できにくくなる外務省の役人だし、ODAビジネスで潤っている企業や、その権利を漁る政治家なのです。
(翔く市民レポート NO.41 2002.4.15)


