〈障害児を普通学校へ全国連絡会 古川 清治〉
この「まとめ」の読後感をひとことでいえば、「文部省の最終答申の先をいく反統合・反インクルージョンの教育思想に、ラジカルに貫かれたものだ」ということになる。象徴的には「障害児理解教育」という言葉がその証拠だ。加えてそれなりに大仕掛けな「改革」だから、影響も大きい。
1981年の国際障害者年以来、世界の潮流は教育を含めて「障害児(者)に対する差別の廃絶」をめざしてきた。具体的には「原則として万人の共学」の実現にむかっていた。「子どもの権利条約」「障害者の機会均等化に関する標準規則」「サラマンカ宣言」など条約・規則・宣言その他がこの事実を明らかにしており、日本政府もその実現を世界に向かって約束しているのだ。
ところが中央集権国家・ニッポンの教育行政が実際にしてきたことはこれとは正反対のことばかりだ。大多数の教育行政は「障害児差別についての基準」をもっていない。とりわけこの「まとめ」はその点で突出しており、あるのは「行政と専門家主導の思想」だけ。こんな施策は金輪際、願い下げである。
* インクルージョン
障害の有無によらず、全ての子どもを対象にして一人一人の特別な教育的ニーズに応じた教育を行なうべきであるという考え。
(翔く市民レポート NO.46 2003.11.10)


