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 「東京都心身障害教育のあり方について」の「中間のまとめ」を読んで 万人共学の実現を!!

〈障害児を普通学校へ全国連絡会  古川 清治〉

この「まとめ」の読後感をひとことでいえば、「文部省の最終答申の先をいく反統合・反インクルージョンの教育思想に、ラジカルに貫かれたものだ」ということになる。象徴的には「障害児理解教育」という言葉がその証拠だ。加えてそれなりに大仕掛けな「改革」だから、影響も大きい。
 
1981年の国際障害者年以来、世界の潮流は教育を含めて「障害児(者)に対する差別の廃絶」をめざしてきた。具体的には「原則として万人の共学」の実現にむかっていた。「子どもの権利条約」「障害者の機会均等化に関する標準規則」「サラマンカ宣言」など条約・規則・宣言その他がこの事実を明らかにしており、日本政府もその実現を世界に向かって約束しているのだ。
 
ところが中央集権国家・ニッポンの教育行政が実際にしてきたことはこれとは正反対のことばかりだ。大多数の教育行政は「障害児差別についての基準」をもっていない。とりわけこの「まとめ」はその点で突出しており、あるのは「行政と専門家主導の思想」だけ。こんな施策は金輪際、願い下げである。
 
* インクルージョン
障害の有無によらず、全ての子どもを対象にして一人一人の特別な教育的ニーズに応じた教育を行なうべきであるという考え。

(翔く市民レポート NO.46 2003.11.10)


 訪問記 「念願のショートステイは現行制度を越えて」

「お待ちしていましたよ。」迎えてくださったのは橋本慎さん、ごきげんな1歳の男の子3人、2人の保育士さん。ここは「お年寄りと子どもの家」。成田東の閑静な住宅街にしっくり溶けこむ小規模な施設です。1階は保育ルーム、2階はショートステイ用の4つの個室が設けられ、 橋本さんご自身による設計の工夫が随所に見られます。
 
橋本さんはお母様の介護をする中で、何ヶ月も前から予約を取らなくてはならないショートステイや手続きの煩雑さなどさまざまな問題に直面しました。 お母様の家を建て替え、この施設をスタートするまでに、橋本さんは東京都や杉並区に何度も足を運びましたが、既存の制度を適用して望んだ保育室やショートステイをつくることはできないことがわかりました。そのため、ここのショートステイは介護保険の適用は受けず、本来の「緊急に利用したい」というニーズに応えています。また保育室は一時預かりを基本にしています。
 
必要に応じた福祉のしくみを市民が創っていくこのような実践から、真の豊かな地域福祉が広がることを実感しました。

(翔く市民レポート NO.45  2003.7.25)


 福祉のまちづくりは地域、市民の力で

少子高齢社会では、身近な問題を市民と行政が一緒になって解決することが求められます。しかしまだまだ公(行政)が権限も財源も握っており、公から市民への分権は不十分です。公共をともに担い、創ろうとする市民の力が十分に発揮できるしくみが必要です。
 
NPOはまちづくりの担い手
阪神淡路大震災の後、日本でも公(行政)の力だけでは社会が立ち行かないことが改めて判明し、1998年にはNPO法(特定非営利活動促進法)が施行されました。民間の非営利活動が行政・企業と並ぶ第三のセクターとして位置づけられ、杉並区内では90のNPO法人(2002年11月現在)がさまざまな分野で活動しています。特に高齢者、障がい者、子どもなどの福祉分野では、NPOが重要な役割を担っています。学校の余裕教室を使っての高齢者デイサービス、高齢者や障がい者向けのホームヘルプサービス・ガイドヘルプサービス、産後支援ヘルプサービス、そしてグループ保育など、いずれも生活者ネットワークがその実現にむけて努力した施策ですが、今やNPOの社会的有用性は行政も認めるところとなり、NPO・市民との協働ですすめるまちづくりの重要性が認識されています。       
 
市民の力が発揮できる 公共域を拡げる
杉並区では、2002年3月に、「杉並区NPO・ボランティア活動及び協働の推進に関する条例」が制定されました。その中では、これまで私たちが提案してきたように、区民と行政が役割と責任を分かちあうパートナーシップ(協働)が、これからの区政運営とまちづくりの基本とされ、NPO等の生き生きとした活動と豊かで多様な協働の推進が目標とされています。
これからの社会では、市民自らがニーズを捉えて納得のいくサービスや機能を創り出すことが必要です。しかし現実には、行政はNPOを安上がりで便利な下請け機関として捉えがちであり、NPOは不安と不満を持ちながら少ない予算で厳しい経営を強いられています。
 
こうした実態を解消するためには、条例の理念を生かして行政の積極的な支援体制が必要です。どのような事業・サービスが地域に必要なのかを考え、企画し、実施、評価する、この全ての過程に、市民の力、NPOの力が発揮できるようにすべきです。NPOをはじめとする市民が公共の担い手として活躍するための環境整備を進めていきます。

(生活者ネットすぎなみ NO.46  2003.1.15)


 誰もが住み慣れたまちで豊かに生きる

今、福祉の制度は社会福祉基礎構造改革と呼ばれる大きな転換期にあります。利用者の立場に立ったサービスの充実のために、質の向上や地域福祉の推進が求められます。高齢者・障がい者の分野において、ともにサービスの基盤整備、相談機能の充実、サービス評価のしくみや権利擁護のしくみの確立が急がれます。
 
福祉制度の改革の先駆けとして、2000年に介護保険制度が導入されました。少子高齢化や、女性の社会進出、核家族化が進む中、家族だけでは担いきれない介護の仕事を、社会全体で支える「介護の社会化」を生活者ネットは早くから提案してきました。地域福祉の充実のために、たとえば、小中学校の空き教室を活用して、NPOが運営するデイサービスや、地域福祉事業立ち上げ支援助成などを提案し、実現しています。今回の介護保険制度見直しに向けて、私たちが実施している介護保険制度についての5年間の継続調査活動の結果をもとに、より使いやすい制度となるよう、市民参加型の福祉の充実を図っていきます。
 
障がい者が自立して生きる
来年度からは障がい者福祉も、支援費制度へと移行します。これまでの行政による「措置」から、利用者がサービスを選び、契約する「権利」としての福祉へ、といわれていますが、選べるだけのサービスを整備することはもとより、障がい者自身が選ぶ力をつけるための環境整備が必要です。今年12月3日に開催された「障がい者区議会」では、どの方の発言からも「自立した個人として、地域の中で生活したい」と願っていることが伝わってきました。今後生活者ネットは、地域での多様な生活を保障するために、多くの小規模グループホームの設置、就労や活動の場の確保、賃金の保障などを実現していきます。

(生活者ネットすぎなみ NO.46  2003.1.5)


 東京都議会報告  障がい者医療費助成は手厚く

国の医療制度改革に伴い、東京都の老人医療費助成制度および障がい者医療費助成制度の一部が改正されました。
 
現在、東京都は老人保健法の適用を受けない65歳から69歳までの高齢者に対し医療費の自己負担を1割となるように助成しています。心身障がい者にもこの制度を準用しています。今回の国の改正により、70歳以上で2割負担の人もでてきますが、マル福制度のこれまでの経緯もあり、1割負担を維持するために条例改正をしました。
 
さて、東京都はこれまで障がい者が安心して医療を受けられるようにと、1974年以来、自己負担分の全額を負担してきました。しかし、2000年には「負担の公平を図る」ためにと、所得制限が導入されました。
 
今回の改正でも、障がい者約11万人のうち9万人の医療費は無料としています。しかし残りの2万人についてはこれまで850円×4=3400円の定額であったものが、上限12000円になります。平均では50円の値上げといわれていますが、一部ではあっても、いきなり12000円になる人が出てくるのです。必要な医療を十分に受けられる制度が必要です。勿論、タダと言うことではなく少額でも負担をしていただくが、それが生活を圧迫しない額であるべきと考えました。
 
都は障がい者の自己負担の上限に配慮するなどの政治的決断をすることもできたはずです。また、制度改正にあたっては、医療費負担と障がい者の生活実態をリンクさせた総合的な調査を実施し、当事者との合意を高める必要があります。以上の考え方により障がい者医療費助成制度の一部改正には反対しました。
 
平成15年4月からは障がい者に対しても措置から選択へと支援費制度が導入されます。レセプトからだけの実態ではなく、生活実態と医療費,支援費の関連が明らかにならなければ、これまでの「施しの福祉」からの脱却は出来ません。

(生活者ネットすぎなみ NO.43  2002.11.5)


 都政とつなぐ「社会福祉改革は地域の個性や人材を活かして」

〈河津りえ子〉

東京都では、福祉改革の一環として、入所型都立福祉施設の廃止・民間移譲、社会福祉法人に対する人件費補助の廃止と都独自の補助の全面見直しを打ち出しました。都は1. 行政が広範囲にわたってコントロールするこれまでのしくみから「利用者本位」を徹底する新しいしくみに変えていくこと、2. 大都市の特性として、さまざまな事業主体が存在し、社会福祉法人も経営努力が必要。これまでの成果を評価しつつ慎重に進めていく、としています。
 
杉並区では、高齢者のデイサービスや保育の分野でもNPOが事業に参入し、きめ細かなサービスを提供しています。このように地域の個性や人材を活かし、多様化するニーズに応えると同時に、さまざまな福祉の担い手が事業に、より参入しやすい環境整備が求められます。都と自治体の役割を明確にしながら、NPOの活動を応援し、推進役としての社会福祉法人を中心とした、地域福祉の充実をめざして都政と区政をつないでいきます。

(翔く市民レポート NO.43  2002.11.1)


 ガイドヘルパーって知っていますか?

〈NPOたすけあいワーカーズさざんか  川上 博子〉

知的障がい者の為のガイドヘルプの制度が8月1日から杉並区でも始まり、NPOたすけあいワーカーズさざんかは、この事業を杉並区より受託しました。18歳以上の中・軽度の方が対象で、外出のサポートをします。
 
区では、7月に研修会を行い、38名の方がヘルパー登録をしました。今後も研修会の計画がありますが資格は問われていませんので、興味のある方、学生の方、どんどん参加してください。ヘルパーの対価は1時間1,100円です。
 
9月8日には、この制度開始を記念して「エイブル」という映画を自主上映しました。自閉症とダウン症の青年2人がアメリカにホームスティした時のドキュメンタリーで、とにかく元気が出る内容でした。当日は、1,000人を越える観客を迎えることができ、スペシャルオリンピックスにも寄付ができました。武蔵野市や豊島区でも上映予定があるようなので、是非ご覧下さい。
 
来年4月からの支援費制度で、ハンディのある人も高齢者と同じく、措置から契約への移行が決まっています。先ずはガイドヘルパーを上手に使って、これまでよりも地域での社会参加の幅が広がっていくように願っています。

(生活者ネットすぎなみ NO.43  2002.11.15)


 出前、ボランティア・コンサート   

〈田村 典子・永福2丁目〉

日ごろ、コンサート会場へ行いけない方々のために少しでも、クラッシク音楽を楽しんでいただけたらと思い、ピアノ・フルート・ヴァイオリン、歌と6人程度で「出前、ボランティア・コンサート」を始めました。老人ホームでのコンサートは、童謡から始まり、少し本格的な演奏を交えた50分くらいの楽しいコンサートです。プログラムの最後は、いつも「みんなで歌おう」のコーナーです。会場の人たちと一緒になって簡単な歌をうたいます。昔を思い出して、涙を流して歌う方もおられます。また、障害者福祉会館で歌った際、耳が不自由な方が、歌のリズムにあわせて、とても楽しそうに体を動かしているのを拝見しました。会館の方にお聞きしたところ、鼓膜に歌の振動が伝わって体に音が響いているとのことです。感動!勉強になりました。これからも「出前、ボランティア・コンサート」を続けていきたいと思います。

(生活者ネットすぎなみ NO.40  2002.1.15)


 グループホームを地域につくろう

生活者ネットワークは9月の藤田愛子及び12月の山口文江議員(練馬区選出)の都議会代表質問で、グループホームの問題点を提起しました。これに対し東京都はこれまでの大型施設型の福祉サービスを見直し、小規模地域密着型に変えていく方針を打ち出し、ようやく介護保険のメニューであるグループホームを増やすための新しい制度を示しました。 
 
これまで私たちは地域での暮らしを支える福祉への変換と、多様な事業者の参入を提起してきました。これはとりもなおさず地域で暮らしたいと願う人のニーズにあったサービスを提供し、グループホームやミニディーサービス等を充実させることを意味します。
 
グループホームは介護保険対象施設ですが、都内に36ヶ所しかありません。NPO法人が運営しているグループホームはそのうち3ヶ所で、その実態を知ってもらうため、福祉局長とともに練馬区にあるグループホーム「きみさんち」を再び訪問しました。3年前には、寄付を受けた住宅を個室対応の介護保険対象施設とするため、施設長の林田さんは資金調達に奔走していました。その後、NPO法人を取得し、林田さんの「痴呆のお年寄りには小規模施設がふさわしい」という信念のもと、施設を提供して下さる方もあって、さらに都内に2カ所のグループホームをつくりました。

私たちはグループホームを増やすため、この視察や地域の実態から以下のことを提案しました。東京のような大都市では高い地価が利用者の料金に跳ね返ってしまうことに対する都独自の制度が必要であることと、整備補助のNPOへの拡大すること、地域に活用できる土地や建物を運営したい人につなぐ情報バンクをつくること、などです。

今回東京都は、グループホームの土地取得に関して50%を都が、25%を区市が補助、事業者が25%出資という独自案を提出しました。この主体は地域の公社等を予定してますので私たちが提案している借家等の情報バンクもここに盛り込まれます。また整備補助をNPOへ拡大するとの答弁を得ることができました。
 
具体的な地域の実践を行政へつなぐことにより、都の施策が大きく変わりました。これからも地域福祉のメニューを増やし、選択できる基盤整備を進めていきます。

(翔く市民レポート NO.40  2002.1.15)


 都政とつなぐ〜障害者自身の参画で豊かな地域福祉社会の構築を

〈杉並・生活者ネットワーク 区議会議員  河津 りえ子〉

2003年度より障害者福祉も高齢者福祉と同様に、地域の中でその人らしい生活を送るために地域社会全体で支えていくという理念に基づいて、「措置」から「権利」としての福祉に転換されます。具体的には、希望者が自治体に申請し、個々の障害の度合いによって支援費を定められます。障害者自身がその範囲の中で一定の負担をしながら、サービスを「選択・決定」する制度に移行していくものです。しかし、この支援費制度は、サービスの質の向上はもとより情報の提供・権利擁護が確立されてこそ有効に機能するものです。
 
障害者の自立を推進するために、東京都には、生活寮等の施設整備や人材の育成に対して、十分に予算措置をする役割があり、また身近な自治体には、地域特性を生かした独自の施策の展開が求められます。そして、何よりもこれからの地域福祉社会の構築においては、すべての視点で障害者自身の参画が位置づけられなければなりません。
 
障害者が地域で安心して、自立した暮らしができるように、障害者自身が望む施策の展開を、区と都を連携を図りながら進めていきます。

(翔く市民レポート NO.40  2002.1.15)


 「介護保険制度検証のための基礎調査」報告集会に参加して 

〈福祉部会  河津 りえ子〉

去る9月8日、「介護保険制度検証のための基礎調査」の結果報告とシンポジウムが、『介護保険サービスを使いこなすには』と題して開催されました。およそ130名の参加者で会場は埋めつくされ、現場に関わる人たちの熱心さが伝わってきました。
 
4回目の調査は介護者の生活時間と介護時間を調査するために、要介護3以上の138人を抽出して実施され、介護者の介護にかかる時間は4〜5時間以内が最多、外出時間は平均は 1.4時間という結果でした。また、事業者やケアマネージャー、利用者、苦情解決機関等の現場からの課題が報告されました。これらを受け、今後一層の介護の社会化を進めるために
・ケアマネージャーのケアアセスメント能力を高める
・ 制度見直しの際に、訪問介護の対価の3分割問題等を利用者のニーズに沿ったものに変える
・ 地域福祉の市民によるサポートシステムの構築が求められる
ことを確認しました。

 (生活者ネットすぎなみ NO.39  2001.10.20)


 介護保険、施行1年 安心の生活は保障されているか?

地域福祉の充実で高齢者の自立を支える
 
90歳の一人暮らしのAさん(男性)、昨年までは週2回のディサービスと配食サービスを受けて暮らしていました。介護保険がスタートし、Aさんは「自立」と認定され、今まで受けていたサービスは受けられなくなりました。介護保険がスタートしてからこのような話が数多く聞かれます。Aさんのように多少の手助けがあれば、「介護が必要な人」の仲間入りをしなくてもすむ人がたくさんいます。
 
高齢者の自立を支える地域福祉の充実を急がねばなりません。都はこのようなニーズにこたえる基盤整備を進め、区市町村を支援する必要があります。2001年度東京都予算では59億円の介護予防・生活支援事業を組んでいます。藤田あい子はさらに充実させていきます。

(翔く市民レポート NO.37  2001.4.1)


 改善します 介護保険制度

*介護保険の利用限度額を使いきっていない人が多くいることが各期間の調査で明らかになりました。理由の一つが利用額の1割負担です。低所得者対策が急務です。
 
*もう一つの理由は「希望するサービスがない」です。サービスメニューの拡大と量の拡大が必要です。
 
*利用者に質のサービスを提供することが介護保険の大前提です。サービス内容をチェックする評価システムや苦情処理のオンブズ制度が必要です。
 
*利用者が適切なサービスを受けられるよう、ケアマネジャーの質に向上と労働条件の改善が必要です。

(翔く市民レポート NO.37  2001.4.1)


 金曜サロン 「しょうがいってなあに」での出会い

星川ひろ子さんのお子さんのことや、写真絵本のできるまでの悔しかったこと、嬉しかったことを聞きながら、ふと私は「もしお子さんに障害がなかったら、いま、こんなふうにご自分のことを話されたり、生きるということを語られただろうか」と考えてしまいました。また、重度障害のお子さんとともに参加された女性にも同じことを感じました。現実を受け止め、乗り越えてきた者の強さ。それは自分の幸せに気づかず不平を言う人の多いなか、幸せとは何だろうと考えさせられるひとときでした。
 
10年、20年前と比べると、社会的な保障は改善されたと思いますが、障害を「もち味」(なんてやさしいいい方だろう) といわれる星川さんのしなやかで強靭な行動力がまわりの人や社会の目を変えていくと思います。そのためにはまず出会いの場を持ち、私たちに何ができるかを考える機会を作ることです。小さな変化ですが、きっと大きく変わっていくと思います。

(生活者ネットすぎなみ No.35  2000.4.15)


 動き出した地域福祉

この4月、さまざまな問題点をかかえながら介護保険制度がスタートしました。高齢者の方々や、その家族の方にとって、4月からの介護保険制度への移行は、スムーズに行われたでしょうか。
 
スタートした介護保険制度
介護保険制度は、従来の「措置」による福祉から「権利」としての福祉へと、福祉の理念を大きく転換し、これまで家族が担ってきた介護を社会全体で担うしくみです。それに加えて地方分権の時代を迎え、介護保険を有効な制度とし、どのように杉並独自の高齢者福祉制度をつくり上げるかは、行政だけでなく私たち区民にも問われています。
 
この制度は、3年後に見直されることが決まっています。杉並・生活者ネットワークでは、制度導入前の昨年から該当すると思われる方々に聞き取り調査を始めています。見直しに向けて課題を整理し、より良い制度へとつくり変えていくことが必要と考えます。
 
区民の声で利用しやすい制度に
介護保険制度のスタートにあたり、高齢者への情報提供が行き届かないといった問題がありました。杉並・生活者ネットワークは今議会で、今後も情報弱者でもある高齢者へきめ細かな情報提供をすること、サービス事業者やケアマネージャーに対して、評価基準の設置や苦情解決のシステムを作るよう指導していくことを求めた結果、今後区で実施していくことになりました。低所得者層への区独自の利用料の減免対策も必要で、今後も継続して要望していく必要があります。これらの問題を体系化して解決の方法を見い出し、制度改善を提案していくことを目的に介護保険運営協議会が設置されます。22名の構成メンバーのうち6名が公募による区民です。この協議会が有効に機能するようチェックが必要です。そして、公募から漏れてしまった人達の意欲を生かし、広く意見を聴く場として(仮)介護保険区民議会のようなものをつくることを提案し、今後実現されることになりました。
 
NPOの参加でデイサービスがスタート
これからの地域福祉を考える上で、大きな役割を果たしていくのはNPO(民間非営利団体)の活動です。杉並独自の取り組みとして、学校の余裕教室を活用してのデイサービスが大宮中・桃三中・八成小で開始されました。当面3年程度は区が運営を委託する形ですが、まだまだ足腰の脆弱なNPOに対して、地域の理解や行政の支援は欠かせません。この事業はこれまで杉並・生活者ネットワークが提案してきたもので、このたび実現したこのです。初めての市民によるこの事業を成功させ、デイサービスが区内に大きく展開していくために今後も応援していきます。また、学校の給食施設を使い、児童とのふれあい給食の実施も実現させていきたいと考えています。
 
地域に暮らす私たち一人ひとりの参加で、豊かな地域福祉をつくり、誰もが住み続けたいと願う杉並のまちにしていきたいと思います。
 
介護保険制度やその他の福祉サービスについて、相談窓口を開設しました。どうぞお気軽にご利用ください。

(生活者ネットすぎなみ NO.35  2000.4.15)