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広報誌:生活者ネットすぎなみ

2004.4.20発行 No.52

バックナンバー:No.51
 いい続けよう「NO WAR!」 戦争は最大の環境破壊

 イラク戦争終結宣言から一年になりますが、映像で見る限り、人々の暮らしは開戦前よりも不安定になったように見えます。この戦争は誰のためだったのでしょうか。戦争がもたらしたものはイラク人の生活破壊と地球環境破壊、そして劣化ウラン弾使用による核の後遺症です。

昨年 3月のイラク開戦後、国内では特別措置法の制定に続き自衛隊のイラク派遣が性急に決まりました。充分な論議のないままに重大な決定がされただけでなく、手続きを踏まない派兵の決定を、日米安保や北朝鮮問題などから安易に受け入れつつある民意に、驚きと不安を感じます。
(photo:イラク攻撃から 1年たった 3月 20日、世界で一斉に「終わらせようイラク占領」の声があがった。反戦を訴えパレードする人たち(東京・銀座にて))

イラク戦争の疑問

 生活者ネットワークでは「イラク派兵を人権の視点から考えよう」と、年明けから集会を重ねてきました。杉並でも 2月に、上村英明さん(市民外交センター代表)を囲んでこの問題を語り合う場を持ち、国際平和部会では疑問をさらに掘り下げています。
○人道支援は自衛隊でなければいけないのか
○劣化ウラン弾の使用による被害が大きく報道されない
○戦争の真の原因は大国による石油の利権争い
(photo:活発な討議がされた集会「イラク自衛隊派兵を人権の視点から考える」 
  右端が講師の上村英明さん( 2月 18日))

 
杉並から再び平和の声を
 この戦争では大量の劣化ウラン弾が使用され、取り返しのつかない人的被害と環境破壊を起こしました。  生活者ネットワークは、これまで、安全が脅かされている人々への人道支援や教育・保健医療の問題などに取り組む NGO を支援してきました。
 当事国の市民が自らの手で国づくりを進めることが、真の平和を確立する道と考えます。国の内外を問わず、草の根の市民が連帯を呼びかけていきます  杉並区が平和都市宣言をした 15 年前には、自衛隊の海外派遣は予想し得ないことでした。核兵器はなくなるどころか、更なる開発が進められています。杉並区から「NO WAR」の声を発し、「武力によらない平和」を訴えていきましょう。

 杉並区平和都市宣言
世界の恒久平和は、
人類共通の願いである。
いま、私たちの手にある
平和ゆえの幸せを永遠に希求し、
次の世代に伝えよう。
ここに杉並区は、
核兵器のなくなる事を願い、
平和都市を宣言する。
 昭和 63 年 3月 30日

 
イラク戦争の疑問Q&A
Q.人道支援を行なう NGO と自衛隊の大きな違いは?
A.第 1点は中立性があるか否か。現地で活動をしている多くの NGO は「軍隊は人道支援を行なうべきではない」という合意に達している。軍隊が介入することにより、支援の鉄則である中立性が損なわれ、 NGO と軍隊が混同され攻撃にさらされる危険があるためである。
第 2点はかかる費用の差。NGO は豊かな経験を持つ上、地域の人たちとの間に関係性を培い、現地の人々をスタッフとして雇用している。一方、自衛隊は人道支援のプロではなく、かつ基本的に現地雇用をしないため、人件費がかさむ。今回の陸上自衛隊の行なう給水活動を NGO が行なえば、100 分の 1 の費用ですむともいわれている。

Q.劣化ウランとは?
A.核兵器や原発用燃料を製造するための天然ウラン濃縮過程でできる残りカス。半減期は 45 億年。70 年代から開発された劣化ウラン弾は、湾岸戦争から使用された。戦車に命中すると分厚い装甲を貫通し、3000℃を超える摩擦による熱で乗員を焼き尽くし、酸化ウランとなって浮遊し、土壌、地下水を汚染する。体内に吸収され蓄積されたウランは体をむしばみ、奇形児の出生、ガンの発生などをもたらす。

 
 杉並区議会第一回定例会  代表質問

区議会議員 河津利恵子 http://rkawazu.islandvoice.net ------------------------

 平成 16 年度予算は、「安全・安心」「元気と活力」「未来に夢を育むまちづくり」の3つの分野が重要施策として示され、各会派による代表質問が行われました。ネットは区政全般を「参画と協働」の視点で、質疑をしました。

 ようやく日本経済に明るい兆しが見えてきたというものの、今後は定常型環境・福祉社会を展望することが求められているのではないでしょうか。
  これまでの、教育を終えて同じ職場で生涯働き続けるだけの言わば単線型人生から、教育・仕事・地域活動などを、何度でも経験する「やり直しができる社会環境」の整備と、若者対策の必要性を主張しました。

◆自治と協働の確立を
  平成 16 年度予算は、「安全・安心」対策に力点がおかれている感が強いものの、今回初めて「新しい公共空間の創出」が打ち出されました。これは、ネットが十年来主張してきたことと一致し、歓迎するものです。
  これまで全て税金を投入して行うサービスが「公共」といわれてきました。しかし、政治や制度が機能しないこと、自治体財政の逼迫、人々のニーズの多様化、そして何よりも地域での NPO の活動の豊かに拡がり、今後はいかに区民との協働で「新しい公共」を創っていくかが問われます。
 
◆「人・まち・夢プラン」
  区は、協働を推進するための具体的な計画として「人・まち・夢プラン」を策定しました。数年後にリタイアする団塊世代の男性が、地域に戻るための受け皿をつくるのが主な目的です。常に時代の象徴として語られてきた団塊世代の地域での有りようは、今後の地域社会を占うものとなります。
  NPO・ボランティアセンターの位置づけや、総合的な区民・NPO との調整機能をどのように持っていくのか、また協働のためのガイドライン、プランの PR 等について質しました。

★ 議会のトリビア その 2 ★
 議場のいすは長時間座るように設計されておらず、腰痛を促進する(?)
☆ 座面が広く肘掛つきの回転式、見かけは重厚で立派なのにすわり心地が快適でないのは、なぜ?
  脚が固定されていて机との距離調節がきかないから。背もたれに寄りかかると机から遠すぎ、
  メモを取る時や資料を読もうとすると、上半身をぐっと前に倒さなければなりません。
  ほんと、変ないす!
★ 議場はバリアフリーではなくユニバーサルデザインでもなく…。
 議会改革進めましょう!


 予算特別委員会から

  今後もさらに「協働と自治」のまちづくりを推進することのに力を注いでいきます。平成16年度予算に関しての予算特別委員会での質疑から、主なものをご紹介します。
● 区民との協働で実施している「グループ保育」は、給食を提供するための調理スタッフを配置し、
  形態としては小さな保育園で、財政状況は非常に厳しい。働きがいや、継続性、保育の質を担保
  するためにも、経費や人件費を、拡充をすることを求めました。
● 学校や地域でのインクルージョンの確立と、障がい者への情報の一元化や福祉・教育・就労などの
  所管の連携を求めました。
● 区民の消費生活を保障し、権利を救済するための区独自の「消費生活条例」制定の検討を求めまし
  た。
● 善福寺川へ汚水が合流している状況の改善対策の推進。また、将来的には分流式にすることを求め
  ました。
● 学校における著作権保護の認識が、学校・教師・教育委員会のいずれも低く、小学生からの正確な
  著作権教育の実施を求めました。

 
 防犯カメラの条例可決!

本当の「安心・安全のまち」とは?

 今議会で、全国で初の「杉並区防犯カメラの設置及び利用に関する条例」が可決されました。
 多発する犯罪を抑止する意味で、防犯カメラの有用性に配慮しつつ、公共の施設や、それに準ずる施設での防犯カメラの設置に関して、映される個人の人権を守るために利用基準を定めるものです。確かに、全国的に治安を守ることが喫緊の課題となっていますが、過剰な管理・監視体制は避けたいものです。
 本来の「安心・安全のまち」は、地域住民相互の信頼関係のもとに共生できるまちであり、今後運用状況を検証した上で、見直しも行う事を求めました。

 
 杉並区議会第一回定例会  一般質問

区議会議員 小松久子 http://hkomatsu.islandvoice.net ------------------------

◆子ども・子育て将来構想に子どもの意見を
Q.構想の策定に向けて、素案を子どもにわかりやすい形で公表し、学校や児童館などを通して意見を募集する考えはあるか。
A.素案ができて公表の際には、形式や子どもからの意見聴取について工夫が必要と考えている。
Q.子どもの人権救済のしくみとしてオンブズパーソンは有効と思うが設置予定は。
A.子どもの権利擁護の様ざまな実践を積み重ねている。オンブズ設置は課題と思う。

 区基本構想の実現に向けて子ども・子育ての今後 10 年を見据えた構想作りが進行中です。この中に子どもの権利条約の理念を盛り込めないか、と思い要望しました。

◆心身障がい教育について問う
Q.特別支援教育の実施に向け全庁的な体制が必要では。
A.今後は教育と福祉部門が連携した組織を設置し、具体化に向けた検討を進める。

◆ごみ減量施策の充実


Q.廃棄物会計調査結果をどう考えるか。容器リサイクル法の改正を区長会や国に向けて強く働きかけるべきでは。
A.例えばペットボトルのリサイクル費用負担は、自治体 68%、事業者 32%と自治体側が非常に重い。今後の容リ法改正に向け、全国市長会などで要望していく。
(photo:容リ法改正に向けて署名活動を行う(阿佐谷にて))


区議会議員 田中朝子 http://atanaka.islandvoice.net ------------------------

◆移動困難者の自由な移動の確保を
Q.移動困難者が自由に移動できる社会を目指すために、地域福祉交通政策として大きく捉え、全ての人が安心して移動できるしくみが必要では。
A.障がい者や高齢者等が生き生きとした充実した生活を送るために移動困難者が自由に移動できる社会を目指すことは大切である。福祉移送サービスが効果的、効率的に展開されるよう、十分な検討が必要な課題である。

 NPO 等民間の福祉移送サービスは、法的に違法とされていましたが、この 3月に厚労省からガイドラインが出され法的にも認められました。この杉並でも数社の福祉移送サービス業者が活躍しており、運営協議会立ち上げをはじめ、地域福祉交通のいっそうの充実が望まれています。

◆増加を続けるDV被害の相談体制の充実を
Q.相談員の心ない対応で DV 被害者が傷つく「二次被害」が増えている。相談員の質の向上を目指した研修などを積極的に行うべきでは。
A.相談業務の実態把握を進めるとともに「女性に対する暴力」問題対策連絡会などでケーススタディを行い、相談者の立場に立った対応が出来るよう努めている。
  急増する DV 被害への身近な場での相談体制の充実を求めました。

 
 指定管理者制度について「保健福祉委員会から」

 昨年 9月に公の施設の管理に関わる地方自治法が改正され、杉並区でも、株式会社や NPO 等民間事業者を含めた団体に区が管理を代行させることのできる「指定管理者制度」が導入されました。区民サービスの向上や行政コストの削減を図ることが目的ですが、当区での導入第一号は高井戸保育園となり、保健福祉委員会で議案として取り上げられました。本来、保育所条例が改正されてから指定管理者の指定が審査されるべきところが、今回両方が同時に議案上程されたこと、また改正される条例に首長や議員の兼業禁止規定が入っていない等、様々な論議がなされました。今後 3 年間で区内の 95 の施設にこの制度の導入が検討されます。区民に身近な施設が多いことから、これからも注意深く見ていく必要があります。

 
 
 高齢者施設見学バスツアーに参加して

会員 中村順子 -------------------------------------------------

 この日は生憎インフルエンザの流行により施設内で利用者の方々と直接お話をする機会が殆んど無かった事は残念でしたが、心に残った事を報告します。
 一つはデイサービスの「永福ふれあいの家」です。デイサービスについては私の頭の中には幼稚園ならぬ老稚園ではないかと云う偏見がありました。しかし、ここではマージャンをしている方、話し込んでいる方、ベッドで休んでいる方等、様々に楽しんでいる様でした。これまで健康でそれぞれ生活を楽しんできた方が介護を必要とした時、その要求は多種多様になります。「永福ふれあいの家」はそうした多様な要求に応じている所だと感じました。
 二つ目は浴風会のケアハウスです。トイレ、バスもありタンス、ベッドも備えられ、狭いながらも楽しい我家の感じです。こうしたケアハウスがもっと建てられ多くの方々が入居できるようになれば良いと思いました。
 この他グループホームも見学しましたが、時間が限られていたのが残念です。
 どの施設でも若い人達がきびきびと介護の仕事についていることを大変頼もしく感じました。
(photo:民間有料老人ホーム ライフ&シニアハウス井草にて( 1月 17日))


 性教育バッシングでエイズが増加?

 東京都が作ったエイズキャンペーンポスターの一つに「コンドーミング宣言」というのがあるのをご存じでしょうか。コンドームを正しく使うことで性感染症は防げるという造語です。
  「全く私には関係ない世界」と思っていらっしゃる方がほとんどかもしれません。しかし、今や先進国で唯一、エイズの感染者、患者数が増え続けているのが日本なのです。東京都南新宿検査・相談室でのHIV抗体検査件数は昨年約 7500 件、エイズ患者は 93 件、HIV 感染者の報告は 275 件となっています。全国的に見れば、感染者、発症患者の累計は 8700 人ですが、実数はその 4〜5 倍と推定されています。また、2010 年には累計 5万人に達する恐れがあると警告する学者もいます。

◆若者たちには性教育が必要
  深刻なのは、異性間の性交渉による感染者の増加と低年齢化です。性器クラミジアや性器ヘルペスなど性交感染症の蔓延が HIV を感染しやすくし、女子小学生の感染も報告されています。(財)日本性教育協会の調査によれば、02 年時点で、高校 3年生男女の約 4割が性交経験を持ち、中学 3年生でも 15% に達しているとのことです。そしてさらに驚くことに性行経験を持つ者のうち、相手が 4人以上いるものが 2 割もいて、しかも、コンドームを使ったのは 3割にも満たないとのことです。
  今、東京都教育委員会や、議会の一部に性教育バッシングが吹き荒れています。知的障害児に対して人形を使いながら性教育をすすめてきた教師・学校長を処罰し、「寝た子を起こすな」「年齢不相応な性教育はすべきでない」という発想ですが、子どもたちは世の中のあふれる情報によって性的にはすでに大人です。適正な性の自己決定のための第一歩は、避妊法や性感染症を含めた正しい情報・知識を教えることです。
  かたや女性を性の商品としてとらえ、男女平等へのバックラッシュがまかり通る社会状況において、思春期の性をタブー視するのは「性は、人が生きていくことそのもので、自然で大切なもの」ということを提示できないということを意味しています。


 住基ネットは今?

 第一回定例会で、杉並区は国と都に対し住基ネットに関する訴訟の提起を区議会に提案しました。その内容は、「杉並区にも、横浜と同様に段階的な参加し方式『横浜方式』を認めるべき」というものです。議案は継続審議になっています。


 「八ッ場ダム」現地見学に行きました!

 八ッ場ダム(群馬・吾妻渓谷)は総工費が最終的に 9000 億円近くになり、首都圏の住民にとって巨額の費用負担を強いられるダムです。しかし、現在すでに首都圏の水需要は足りており、現地の水質、地質、自然破壊など考え合わせると全く無駄な工事といわざるを得ません。
 現地を見学して、ダム本体の工事はまだ手つかずとはいうものの、周辺の道路やトンネル、代替え地などの工事が進んでいるのを見て、少なからず驚きました。
 これ以上の無駄な巨額の事業費を使わせないためにも、ねばり強くさなざまな方法で建設反対を訴えていきたいと思います。 (区議会議員  田中朝子)


 インフォメーション
◆政策ゼミ in 杉並
 生活の場で問題と感じることを解決するしくみをつくるのが、政治の原点。チームを組んでテーマを決め、調査・視察・学習を重ねて政策にまとめ、議会の質問につなげてみませんか?
 大学とは一味違ったゼミです。
ゼミ開催期間: 6月〜 11月
開校日: 6月 19日(土) PM2:00〜
会場:産業商工会館 第一集会室
参加費用: 3,000 円(学生 2,000 円)
定員: 20 名
お問い合わせ、申し込みは杉並ネット事務所まで
  TEL:3398-2319  Eメール:info@suginaminet.com

◆議会の傍聴にいらっしゃいませんか?
● 第 2回区議会定例会
6月 8日(火)〜 6月 18日(金)
● 第 2回都議会定例会
6月 1日(火)〜 6月 16日(水)

◆学習会 あなたの隣にもある虐待  私たちにできることは何
日時: 5月 15日(土) 午後 2時〜 4時 30分
会場:セシオン杉並 第 8集会室
共催:杉並に子どもの人権を守るしくみをつくる会
     教育アクション 21