
若者の成長と自立を支える
しくみづくりが求められる |
世代間の不公平感や、社会保障制度に対する不信感が大きくなっています。支払った掛け金があとで年金として受けとれるという実感が持てないことも制度の存続に大きく影を落としています。実際のところ、すでに給付が負担を上回っており、負担能力がある人を育ててこなかった政策の不備を指摘せざるを得ません。厳しい言い方をすれば、この社会は若者がニートになっていくのを放置する社会なのです。
ニートの問題がマスコミで取り上げられるようになりました。ニートとは、15〜34歳までの未婚で、学校も行かず、就労も就職活動も職業訓練もしていない若い人のことです。フリーターは労働人口の中にカウントされますが、このニートは非労働力とされ、ここ数年急増しています。
なぜこのような若者が増えているのでしょうか。原因は社会状況の色濃い反映と考えられます。日本は戦後長く「平等な社会」とされてきましたが、バブル崩壊後は資産格差の拡大と固定化が進んでいます。社会全体が目標を喪失した感がある中で、漠然とした将来不安と「努力しても仕方ない」という感覚が一気に広がっています。
冷え込む若年層の労働市場
社会人一年生、あるいは最初の仕事からステップアップを図って転職する15〜24歳の年齢層での失業率は8%近くとなっており、他の年齢層と大きく差が開いています。雇用側にとり即戦力が期待できる中途採用が増え、学校を卒業しても就職できない、あるいは離職した後の転職先が定まらない若い人の比率が上昇しています。
就労を中心とした自立支援
福祉国家の例としてよくあげられるスウェーデンは、人材を育てるのに多大なコストと手間をかけ、社会環境を整備してきました。社会保障制度はもちろん、人を育て人間の尊厳を大事にする施策に取り組んでおり、学ぶべき点が多くあります。日本でも今後は、最終的に困ったら生活保護という福祉のあり方ではなく、若者の就労支援、長期失業者の再就職支援、高齢者・障がい者の雇用と社会参加の促進、子育てに対する支援など、個人の自立を促す積極的福祉政策を、社会保障の中心に位置づけ直すことが必要です。
インターンシップと若者支援策
若い人の会社選択の理由は「自分の能力・個性が生かせる」「仕事がおもしろい」「技術が覚えられる」など、自己実現志向がより強くなっています。彼らが職業能力を高め、適性に合う職業に就くためには、仕事を体験し職業意欲を持つことが大切です。
その方策としてインターンシップが注目を集めています。一過性の職業選択に止まることが多いアルバイトに比べ、インターンシップでは、実際に作業などに携わり、仕事の難しさや要領など身をもって体験。学生の主体的な職業選択能力を育て、適応能力の確認や就職に対する意識を高揚する機会となることが期待されています。
都立高校におけるインターンシップの実施は1日のところが多いのですが、最低2週間に延長するなど、職業に関する意識啓発やキャリアカウンセリングの普及が重要と思われます。
また、就職の悩みなど気軽に相談・交流できるジョブカフェを若者の集まる繁華街につくるのも有効です。
さらに、若者の心と性の相談窓口としての「ユースクリニック」の設置も、早急に進めていく必要があります。
●私たちは、堀之内敏恵さんを応援します
天笠啓祐(科学ジャーナリスト)
いまの政治は、多くの市民が必要としていて、切実に求めているものに応えていません。それどころか利益にあぐらをかく既存の政治家には、それを正す能力がありません。生活感覚が豊かな、庶民の視線で考え、実行する女性議員が増えることで政治は確実に変わります。生活者ネットワークには、変える力があります。地方の政治を変え、日本の政治を変えていくために、必要とする人たちです。
映画監督
井筒和幸
写真家
星川ひろ子
北海道大学教授
山口二郎
東洋大学教授
森田明美