自立支援センターが2006年に杉並区につくられることを知り、一番最初に心配になったことは、近隣の方たちとの関係性でした。そこで、杉並区の方も入寮されていると伺った豊島寮の見学をさせて頂くことにしました。 路上生活をされていた方達が就労し、自立した生活ができるよう支援する施設豊島寮は、掃除の行き届いた生活寮でした。定員が80人の施設はほぼ満室。大半の方は仕事に行かれており、ほんの数人の方が仕事を探していました(ハローワークがここにあるというかたちです)。 ベットひとつの広さがプライベートスペース。日用品等の支給から、面接のときの衣類の貸し出しに至るまで思っていたより、きめ細かな支援をされていることがわかりました。そして、なにより施設ができてからの近隣との関係でトラブルがないことを伺いほっとしました。 まず、生活習慣と健康状態を整えようと考える職員、でも入寮される方たちは就職を、それから生活・健康を考えており、路上生活に至るまでの理由は重いものがあるため、なかなか語ることはないそうです。自立率50.4%という数字が、思ったより多いと見るのか少ないと見るのか私には判断がつかないのですが、過去を消したい方も多く、支援団体とも縁を切り、マスコミにも絶対出ず、きちんと自立をし淡々と生活を送っている方もいますとのことでした。でも一方では就労し、3日、3週間、3ヵ月を気をつけなければならないと職員のかたはおっしゃいます。基本的にはまじめな方が多く、病気を隠して働いたりするため無理がかさなり体調を崩し、一人で悩み、また路上の生活に戻ってしまうこともあるそうです。静かな方ほど心配ですと話してくださいました。せっかくアパートでの自立した生活を送ろうと思ってもさまざまな不安を抱えることは確かです。そういう時の心のケアをかねた生活相談にのってくれるところ(人)、支えになれるところ(人)、民生委員であったり、行政関係の事務所ではないもっと身近な関係がとれる付き合い方が日常のなかにつくれたらと改めて考えさせられました。
前日までの雨がうそのように晴れわたった11月12日、野宿・路上生活をしている方のための区の「健康生活相談」が高円寺保健センターで行われました。今年で2年目を迎えるこの事業は、市民団体の協力を得ています。市民団体は、当事者への事前の呼びかけを行ったり、当日は当事者に付き添い、参加への不安をやわらげるお手伝いをしました。今回は部会メンバー2名が参加しました。 天気に恵まれ、呼びかけを丁寧かつ積極的にしたからか、12名の当事者が「健康生活相談」に来ました。いくつかの検診を受け、温かい昼食をとり、検査結果とその説明を受けた彼らのうち半分が、施設に入ることを希望していました。 長引く不況やさまざまな事情で仕事と生活の場を失い、野宿生活を余儀なくされている方たちの社会復帰を進めていくためには、安定した生活環境で健康を回復し、生活・就労相談などの支援を行うしくみづくりが、やはり重要だと考えます。